相手は西地区2位の難敵、島根
得点力の高い司令塔に警戒を

バイウィークを挟んで3週間ぶりのホームゲーム。今節は島根スサノオマジックを、おおきにアリーナ舞洲で迎え撃つ。島根は現在、24勝13敗で西地区6チーム中2位。チャンピオンシップ(CS)進出圏内にいる。19勝18敗で西地区4位のエヴェッサがCSに進むには、島根の成績を上回らなければいけない。それを見据えたうえでも、この直接対決2連戦は大きな意味を持つ。
島根のスコアリーダーは、1試合平均15.4得点をあげるポイントガード(PG)の#3安藤誓哉。日本人選手で、なおかつPGがチームのスコアリーダーなのは稀なケースである。彼の特徴は、とにかくシュートレンジが広いこと。ドライブで切り込んでからペイントエリアでスコアするのを中心に、それを阻まれると瞬時に切り替えてミドルレンジからショットを放つ。さらにアウトサイドからの3Pシュートもあり、2月9日の茨城ロボッツ戦ではひとりで28得点を叩き出した。
もちろん本職はスコアラーではなく、ゲームメイク能力に長けたPG。#3安藤のシュートを警戒してディフェンスが寄ってくれば、相手の守備陣形が薄くなったところをねらって鋭いパスを配球する。守る側にとっては、実に的を絞り辛い選手だ。とはいえ、島根は得点も攻撃の展開も彼が中心になるだけに、ここを封じることができれば優位にゲームを進められる。エヴェッサでマッチアップするのは#35鈴木達也、あるいは#88牧隼利。ふたりが#3安藤封じの仕事を果たせるか否かで、勝敗の行方は大きく変わってくるだろう。両チームのPG対決は、今節の大きな見どころだ。
ハードなディフェンスから
素早い攻撃に転じて勝機を拓く

島根は#3安藤のワンマンチームにあらず、高いレベルでバランスが整っている。オールラウンダーの#1コティ・クラーク、2022年にベスト3P成功率勝に輝いた、現役オーストラリア代表の#4ニック・ケイ。そしてリーグ5位の1試合平均9.0リバウンドを獲得する#14ジェームズ・マイケル・マカドゥの外国籍選手3人は、いずれも1試合平均得点が2ケタをマークする。ここに身長203cmの帰化選手、#33エヴァンス ルークまでもが顔を揃えるだけに、#3安藤ひとりに警戒を集中させるわけにはいかない。
難敵である島根と対するにあたっては、今季を通じて徹底しているドッグファイトのスタイルを貫かねばならない。ディフェンスの場面ではボールを運んでくる#3安藤にフロントコートから激しくプレッシャーをかけて、自由にオフェンスを組み立てさせない。そうすることで、相手の攻撃力を削ぐことができるはず。そこでボールを奪うことができれば、相手の守備陣形が整う前に一気にゴールに迫りたい。
また素早い攻撃を展開するためには、ディフェンスリバウンドもポイントになる。チーム最多の1試合平均8.5リバウンドの#52ヴォーディミル・ゲルンがその軸になるが、彼ひとりに頼り切りになるのではなく、全員でリバウンドを奪う意識で臨むべき。リバウンドを奪ってそこから走る展開に持ち込めれば、勝利する確率は高まる。
島根はチームとして守備力が高く、1試合平均失点はB1全24チーム中6番目に少ない74.6。対するエヴェッサは、リーグ5位の1試合平均82.2得点と攻撃力が高い。島根の堅い守りに穴を開けるためにカギになるのは、ディフェンス。強く守り、攻撃に転じればスピード感あるオフェンスで勝機を拓く。
