仙台は得点力で苦戦するも
リバウンドはリーグトップ級
今節の相手は、東地区に属する仙台89ERSだ。仙台はエヴェッサと同じく2005年に創設され、bjリーグの開幕時から参加した“オリジナル6”のひとつ。彼らも今年で、クラブ創設20周年を迎えた。現在のエヴェッサの藤田弘輝ヘッドコーチは昨季まで仙台で指揮を執り、#52ヴォーディミル・ゲルンも在籍していた。
仙台はBリーグ初年度の2016-17シーズンこそB1でスタートしたが、翌季から5シーズンにわたってB2が主戦場。2021-22シーズンに藤田HCがB1に昇格させると、今季まで3シーズン続けてB1クラブの座を守り抜いている。
今季のここまでの成績は、3勝9敗で東地区8チーム中6位。開幕6連敗を喫したあとに3連勝して立て直したかに見えたが、その後は3連敗中。先の水曜日も、レバンガ北海道と対戦して88-97とハイスコアゲームの末に敗れた。
1試合の平均失点数はリーグ中位の77.8と、悲観するほどは悪くない。仙台のウイークポイントは、リーグ21位の1試合平均73.0にとどまる得点力の低さ。対するエヴェッサは同3位の83.8得点で、10点以上の差がある。
仙台と対するにあたってエヴェッサは、前線からディフェンスで激しく圧力をかけて、仙台の得点を封じる。そしてボールを奪ったら素早く攻撃に転じ、アップテンポにオフェンスを仕掛けていく。つまりは今のチームのコンセプトを徹底することが第一であり、時間の経過とともにリードを広げていく展開になれば理想的だ。
一方で仙台のストロングポイントは、ずばりリバウンドにある。1試合平均獲得数は41.0本で、これはリーグ2位。そのなかでチーム最多を記録しているのが、身長211cmの#6クリスティアーノ・フェリシオ。リーグ3位となる、1試合平均10.8本のリバウンドを奪っている。ほかの選手は多くても5本台なので、まさにゴール下の要だ。前節の北海道戦では合計19リバウンドと、本領を発揮した。
エヴェッサのゴール下の要
#52ゲルンの奮闘に期待!
いくら仙台の得点力が高くないとはいえ、リバウンドを拾われて攻撃券が移る回数が増えるのは避けたいところ。エヴェッサのフィールドゴール成功率は、リーグ3位の46.4%と高い。だがそれに安堵することなく、今節はよりショットの精度を高めることを意識したい。そのためには5人が連動して、よりよい状態でシュートが打てるシチュエーションを作ること。そしてフィニッシュを託された者も、無理に難しいシュートを打つのではなく、決めることが難しいと判断したらボールを戻し、もう一度作り直すといった冷静な判断が求められる。
相手がリバウンドに強さがあるだけに、今節のエヴェッサのキーマンには#52ゲルンを指名する。昨季は仙台でリーグ2位となる、1試合平均12.0リバウンドを記録。今季はここまで同8.8と数字は伸びていないが、高いリバウンド奪取能力の持ち主であることは、昨季の実績が証明している。仙台の#6フェリシオとのゴール下での対決を制し、より多くのリバウンドを奪ってくれることを大いに期待したい。
仙台の攻撃面は1試合平均17.9得点の#7スタントン・キッド、同12.2得点の#6フェリシオ、同11.9の#45ネイサン・ブースと外国籍選手が中心。なかでも警戒したいのはやはり、チーム最多得点の#7キッド。202cmの高さがありながらゴール下だけではなくミドルレンジ、3Pシュートとどこからでもゴールをねらってくる。
エヴェッサでマッチアップするのは、プレースタイルが似た#5マット・ボンズか。身長は196cmと#7キッドに対して劣るが、それを上回る敏捷性が彼にはある。#7キッドのスコアを抑えると仙台は苦しくなるだけに、#5ボンズの頑張りにも注目だ。
エヴェッサは水曜日に接戦の末に広島ドラゴンフライズに敗れて、現在は3連敗中。ホームに戻って戦うこの仙台戦を連勝で飾り、再び上昇気流に乗る。