■お互いの第一印象

井手「同い年やけど、レイジのことはエヴェッサに来るまで、まったく知らんかったわ」
星野「僕はプレーのハイライト動画を見ていたので、タクミのことを知ってたで」
井手「会うまではどんな印象やった？　変なこと言うなよ、変なこと言うなよ……（笑）」
星野「それ、変なこと言えってフリやん（笑）。めっちゃ上手いし、めちゃくちゃ点を獲ってるなって。あとコイツ、絶対に嫌なヤツやなって思ってた」
井手「なんでなん？」
星野「あの動画を見たら、だれでもそう思うって（笑）。めちゃくちゃ生意気な王子様みたいやったし。適当にバスケやってきて、適当に上手くなったんやろなコイツと思ってた」
井手「ちゃんと、やっとったわ（笑）」
星野「動画で見た印象やから（笑）。あのときは、オマエとしゃべったこともなかったし」
井手「実際はどうやった？」
星野「（力を込めて）めちゃくちゃ、いいヤツやった」
井手「そやろ（笑）」
星野「いっしょにおって、ずっとフザけてくれるから笑えるし。シンドいことがあっても真面目に話ができる、意外に（笑）。そういうところが友達としても、いいヤツやなと」
井手「見た目で判断したら、いかんわ（笑）」
星野「アカンなあ」
井手「レイジは髪の毛がめっちゃ長くて、しかもチリチリなパーマをあてとって『なに、これ？』みたいな。チャラって感じやった」
星野「オマエが言うか。オマエあのとき、金髪やったぞ（笑）」
井手「『チャラ、コイツ』って思ったけど、話してみたらめちゃくちゃ真面目やって、印象が違っててびっくりしたわ」

■お互いのプレーヤーとしての印象

井手「レイジはめちゃくちゃハードワーカーで、どんなときも全力でプレーし続けられるところを尊敬している。試合中のめちゃしんどいときでも、ずっと相手にプレッシャーをかけ続けられたりするところは、すごいなと思う」
星野「タクミは動画で見ていたより、意外に賢いなといっしょにプレーして思った。大学時代のハイライトしか見ていなくて、ボールを持ったら全部シュートを打ってるみたいなイメージやったから。点取り屋ってイメージがあったけど、みんなのことをコントロールしたり、意外にガードとしてちゃんとしてる」
井手「ゲームコントロールは、練習中やねん」
星野「練習中から自分に課題を持っていて、それをちゃんとやっているからエラいなと思う。パスをもらうほうとしては、やりやすいガードやで。タクミといっしょやったら同期やから言いたいことも言えるし、やっぱりやりやすいね」
井手「レイジは知らん人が見たら大人しく見えるかもしれんけど、みんなの前では真面目ぶってるだけやしね」
星野「それも、あるとは思うけど（笑）。コートに立ったら、変なことさえしなければ、言うべきことを言うのはいいかなと思っている」
井手「レイジはメンタル太いやろ、絶対」
星野「どうなんやろ、自分ではわからんけど」
井手「ここまで這い上がってきたこと自体が、すごいわ。話を聞いても、バスケをやるうえでタフな環境でやってきたにも関わらず、今こうやってやれている。それを考えると、すごいメンタルしてるなと思う」
星野「エヴェッサに入る前まではタクミにも勝たれへん、自分が勝ってるところなんかひとつもないやろうなと思っていたけど、動画で見るのと実際にやるのとは全然違った。エヴェッサのみんなともそうやけど、やってみたら意外にできるなっていう感覚があって。やり続けていたら、ここまでこれたみたいな感じかな」


■エヴェッサ入団が決まって

井手「（昨季は特別指定選手で広島ドラゴンフライズでプレー）出場機会が増えるかなと思ったし、エヴェッサに来たらみんな面白いし、優しいし。プレーもしやすくて、来て良かった。チームに入った瞬間から、好印象やったよ。（#15竹内）ジョージさんが、歓迎会みたいなのをしてくれたんよ。こういうのもあるんやって、なんかほっこりして良かったわ」
星野「僕も入団が決まって、素直に嬉しかった。それを目標にやっていたから。B1に入れるような選手じゃないって自分で思っていたから、B3とかB2のトライアウトに行っていて、全部落ちていたのにエヴェッサに入れるとなって、すごく嬉しかった。チームはタクミが言うみたいにみんな優しいし、なにより同期でタクミがおったから。同期がおったほうがいろんな部分で楽やし、すごい嬉しかったわ」
井手「練習や試合後の荷物運びも、半分で済むけんね」
星野「そうそう（笑）」

■プレータイムを増やすための課題

井手「ディフェンスが課題やったけど、だいぶできるようになってきた。今はオフェンスにフォーカスしてルーベン（・ボイキン アシスタントコーチ）とずっとワークアウトしてる」
星野「（マティアス・）フィッシャー ヘッドコーチはディフェンスにかなり力を入れているから、まずはそこを認められへんとプレータイムがもらえへんよね」
井手「そうなんよな。高校生のころから、ディフェンスはめちゃくちゃ苦手やった」
星野「やってなかったん？」
井手「やってない（苦笑）」
星野「僕も課題はディフェンスやね。さっきもタクミが言ったけど、僕もルーベンに言われていて。やっぱ、プロのディフェンスはヤバいよな」
井手「フィジカルも戦術的な濃さも、全然違う。とくにプロは、ピックアンドロールのディフェンスが難しいわ。学生のころと違って相手を抜けないし、自分で抜けないとガードの責任になるから。相手と当たるときの体感的な重さも全然違うし、気を抜いてぶつかったらケガするし、つねに気を張っとかないといけんわ」

■コートに立ったらファン・ブースターに、どんな姿を見せたいか

井手「ここまでディフェンスの練習はめっちゃしてきたし、ゲームコントロールや3Pシュートもたくさん練習してきました。試合に出たらアグレッシブさと、思い切りの良い3Pを見てほしいです！」
星野「僕もとにかくアグレッシブなディフェンスと、ボール持ったらリングにアタックするので、それを見てください！」