INTERVIEW
インタビュー
2022-23シーズン、
前半戦の戦いを振り返る
開幕前からケガ人が相次ぎ
苦難の船出に
そんなフィッシャーHCが標榜するのは、規律とチームプレーを重んじるヨーロッパスタイルのバスケットボール。その軸になるものとして、全員が連動したディフェンスを求める。今季を迎えるにあたっては#35鈴木達也が新加入、#54ショーン・オマラが3季ぶりの復帰を果たすなど新たな顔ぶれが加わり、そのほかの主要メンバーはほとんどが残留とロスターの変更は最小限にとどまった。とはいえ、チームのプレースタイルはこれまでと大きく異なる。開幕までにフィッシャーHCのバスケットボールを具現化するには、メンバー全員が揃ってチームプレーの熟成を図る必要があった。
しかし、思わぬアクシデントがチームを襲う。開幕に向けてのトレーニング期間中に、次々と故障者が発生。チーム練習はままならず、予定していたプレシーズンゲームを直前で中止にせざるを得ないほどだった。当然、チーム作りは想定どおりに進まず。そんな状態で10月1・2日にアウェイで、千葉ジェッツとのシーズン開幕戦に臨むことになった。
千葉Jは一昨季のチャンピオンチームで、今季も優勝候補のひとつにあげられる強豪。そんな相手に連敗を喫してしまったが、GAME2は最後までクロスゲームに持ち込み、残り0分05秒で勝ち越しを許すという大接戦を演じた。翌週のホーム開幕戦も、相手は優勝候補と目される宇都宮ブレックス。GAME1は残り4分を切って10点差と絶望的な状況だったが、そこから粘りのディフェンスで相手の得点を止め、その間に#20合田怜の3Pなどで急激に追い上げる。そして残り時間0分04秒、#25ディージェイ・ニュービルが放った3Pがリングを通り抜け、見事な大逆転勝利を収めた。宇都宮との戦前はエヴェッサが不利との声が多かったが、それを結果で覆して見せたのだ。
しかし10月は宇都宮戦のような劇的な勝利がありながら、月間成績は3勝6敗と黒星が先行。9試合中4試合で最終スコアが60点台にとどまり、得点力不足が目立ってしまった。その要因はやはり、新たなスタイルのバスケットボールの吸収が遅れてしまっていることだった。良いディフェンスで相手の攻撃を封じ、ボールを奪ったら速い攻撃を仕掛ける。それがフィッシャーHCが目指すスタイル。その根幹となるチームディフェンスが未完成ゆえ、いい形でのオフェンスにつなげられないでいた。
11月は日本代表のスケジュールの兼ね合いで、リーグ戦が約3週間近く休止。当然のごとく、この間にチームバスケの熟成に取り組んだ。だが11月も月間で2勝3敗と、成績を伸ばせない。この時期に試合後に選手に話を聞くと、異口同音に「チーム内でもっと、コミュニケーションをとらないといけない」「チームケミストリーを、もっと高める必要がある」といった内容のコメントが聞かれた。これはすなわち、フィッシャーHCのバスケットボールを表現するには、全員が高い次元で共通意識を持たなければならないということを示している。そのためにはやはり、時間が必要なのだ。
しかしその一方で、フィッシャーHCも選手たちも「このチームには、才能のある選手たちが揃っている」と自負する。強い個と組織力が結合すれば、何段階も上のレベルのチームに進化する。現場はその手応えを、確かな実感として得ていた。結果が出ないフラストレーションを抱えながらコーチ陣、選手、スタッフたちは、覚醒の時を信じて戦いに向かい続けた。
我慢の時期を乗り越え、
チームが真の姿を現し始めた
チームはこの広島戦から3連勝を記録するものの、中旬から下旬にかけて今度は3連敗と、まだ安定感に欠けていた。そんななかで12月28日に年内最後のホームゲームに当時、西地区首位に立っていた琉球ゴールデンキングスを迎える。あらためて振り返るとこの一戦は、前半戦で最高の内容と結果を残したゲームだった。
地区5連覇中で、昨季は準優勝にまで上り詰めた琉球を相手に、序盤からディフェンスで主導権を握り続けた。試合が進むごとにリードを広げ、最終的には79-62の完勝で西の王者を退ける。クオーターごとの得点を見てみると、第1Qから14-12、20-17、23-13、22-20。3つのクオーターで相手の得点を10点台に抑え込むなど、タイトなチームディフェンスで相手の攻撃を封じ、守備から生まれた良いリズムが攻撃に波及したことが数字に表れている。これぞまさに、フィッシャーHCが目指すバスケだ。
年内最後となった12月28・29日の新潟アルビレックスBB戦は、中1日でアウェイの地に飛ぶという強行軍。タイトな日程が体力面に影響したことは否めず、中地区最下位の相手に2試合とも途中まで接戦になってしまった。しかし試合を通じて大崩れする場面はなく、いずれも最後に相手を振り切って連勝する。そして記憶に新しい、前節のレバンガ北海道戦。GAME1は先行を許すも、ディフェンスが機能し始めた第2Qから相手のスコアを抑えて逆転勝利。翌日のGAME2は終盤に逆転を許すも、4点差を追う第4Q残り0分14秒に#14橋本拓哉が3Pシュートを突き刺し、バスケットカウントを得て同点とし、オーバータイムに持ち込む。最後まで接戦となったオーバータイムも制して5連勝を飾り、勝率も5割に戻した。
メンバーが揃わず、スロースタートになってしまった10月。我慢の時期だった11月。そして上昇の兆しが見えた12月上旬を経て、年末から年始にかけてチームは本格化し、いよいよ真価を発揮しつつある。2022-23仕様のチームが真の姿を現し始めたここから、エヴェッサの逆襲が始まる。
PICK UP
見どころ
12月の前回対戦は1勝1敗
対策を万全に施し、首位狩りだ
前節のレバンガ北海道戦のGAME2で、4点差を追う第4Q残り0分14秒から#14橋本拓哉の4点プレーで奇跡的に同点に追い付いて延長に。延長でも残り0分03秒に勝ち越しと劇的な勝利で5連勝を飾り、勢いに乗るエヴェッサ。今節はホームに西地区首位を行く、広島ドラゴンフライズを迎える。対策を万全に施し、首位狩りだ
広島とは12月3・4日にここ、おおきにアリーナ舞洲で対戦し、GAME1は第4Qで24得点をあげて追い上げるも69-78で敗戦。しかし翌日のGAME2は序盤からチームディフェンスが機能して相手のスコアを抑え込んで先行し、第4Qに一時は逆転を許すも、このクオーターだけで#31木下誠が3本の3Pを決める活躍で逆転勝利を飾った。
#24ニック・メイヨは#13エバンスに次ぐスコアメーカーで、1試合平均得点は16.2をマークする。彼も#13エバンスと同じく、ショットを放つ数こそ多くはないが、3Pの成功率は46.0%と高い精度にある。この#24メイヨも前回対戦ではGAME1で13得点、GAME2にいたっては8得点と、こちらも平均以下に抑えた。とくにGAME2は彼を8得点にとどめたことが、勝利を得た要因のひとつでもある。インサイドでもアウトサイドでもスコアしてくる選手だが、ディフェンスの場面では外に出たとしても粘り強く追いかけて、気持ち良くシュートを打たせない対応が必要だ。
前回にやられた相手の司令塔を封じ、
リバウンド争いを制して勝機を
前回の対戦では、想定した以上に日本人のガードプレーヤーに活躍させてしまった。なかでも日本代表でも実績がある#3辻直人はGAME1で16得点、GAME2で14得点と、1試合平均得点が10.8の彼に平均以上の得点を奪われた。これが前回のGAME1で相手にペースを握られ、GAME2も最後まで苦戦した要因のひとつである。今節は#3辻への警戒を、前回以上に高めて臨みたい。主にマッチアップするエヴェッサの選手は、#35鈴木達也か。#35鈴木はポイントガードとしての展開力はもちろん、最前線から当たるディフェンスにも定評がある。#3辻を抑えれば彼の得点を封じるだけではなく、広島の攻撃の組み立てを乱れさせることにもなる。#35鈴木は、この試合のキーマンのひとりだ。リバウンド争いを制して勝機を
エヴェッサが広島と対峙するにあたっては、リバウンドにアドバンテージがある。ここまでのシーズンの1試合平均でエヴェッサがリーグ9位の37.9に対し、広島は同19位の35.9。#13エバンス、#24メイヨのビッグマンがアウトサイドに出る影響もあるだろう。前回の直接対決においてはGAME1がエヴェッサ39:広島31、GAME2にいたってはエヴェッサ37:広島28と10近い差をつけた。オフェンスリバウンドを奪ってからのセカンドチャンスポイント、ディフェンスリバウンドを拾ってからの速攻という形が繰り出せれば、エヴェッサの勝機はさらに開く。
今回は前回の対戦から、わずか1ヶ月のスパンでの再戦。前回対戦時のエヴェッサはチームプレーが完成の途上だったが、12月28日に琉球ゴールデンキングスを下してから5連勝中と、急速にチームの完成度が高まりつつある。この広島戦はもちろん簡単なゲームにはならないが、今の勢いと成熟度があれば首位撃破はなるはず。今季最多を更新する6連勝に、大いに期待したい。
ROSTER
選手一覧
OSAKA EVESSA
-
エリエット・ドンリー
#3 SF/PF 198cm/91kg
1996年12月11日生 神奈川県出身 -
井手 拓実
#5 PG 174cm/68kg
1999年10月12日生 福岡県出身 -
星野 零志
#11 PG/SG 180cm/80kg
2000年1月22日生 大阪府出身 -
橋本 拓哉
#14 SG 188cm/88kg
1994年12月3日生 大阪府出身 -
竹内 譲次
#15 PF/C 207cm/98kg
1985年1月29日生 大阪府出身 -
合田 怜
#20 PG/SG 183cm/80kg
1993年8月31日生 大阪府出身 -
飯尾 文哉
#22 SG 187cm/85kg
2000年6月10日生 大阪府出身 -
カイル・ハント
#24 PF/C 208cm/104kg
1989年10月31日生 アメリカ合衆国出身 -
ディージェイ・ニュービル
#25 PG/SG 193cm/95kg
1992年5月22日生 アメリカ合衆国出身 -
木下 誠
#31 PG/SG 185cm/80kg
1997年3月31日生 大阪府出身 -
アイラ・ブラウン
#33 SF/PF 193cm/107kg
1982年8月3日生 アメリカ合衆国出身 -
鈴木 達也
#35 PG 169cm/69kg
1991年3月30日生 東京都出身 -
ショーン・オマラ
#54 C 208cm/116kg
1995年9月5日生 アメリカ合衆国出身
HIROSHIMA DRAGONFFLIES
-
寺島 良
#0 PG 175cm/77kg
1997年10月23日生 東京都出身 -
朝山 正悟
#2 SG/SF 192cm/88kg
1981年6月1日生 神奈川県出身 -
辻 直人
#3 SG 185cm/82kg
1989年9月8日生 大阪府出身 -
青木 保憲
#4 PG 182cm/84kg
1995年6月23日生 静岡県出身 -
アイザイア・マーフィー
#5 PG/SG 196cm/88kg
1998年4月10日生 沖縄県出身 -
船生 誠也
#7 195cm/90kg
1993年12月15日生 福島県出身 -
ケリー・ブラックシアー・ジュニア
#8 PF/C 208cm/116kg
1997年1月28日生 アメリカ合衆国出身 -
上澤 俊喜
#10 PG 176cm/77kg
1998年6月2日生 富山県出身 -
中村 拓人
#12 PG 184cm/79kg
2001年3月3日生 愛知県出身 -
ドウェイン・エバンス
#13 SF/PF 201cm/104kg
1992年1月24日生 アメリカ合衆国出身 -
佐土原 遼
#23 SF/PF 192cm/97kg
1999年10月24日生 神奈川県出身 -
ニック・メイヨ
#24 PF/C 206cm/113kg
1997年8月18日生 アメリカ合衆国出身 -
三谷 桂司朗
#34 SF 191cm/88kg
2001年6月15日生 広島県出身
TIME SCHEDULE
タイムスケジュール
11日
- 17:00
- 当日券売場・CLUB EVESSA受付開始
- 17:30
- CLUB EVESSA プラチナム会員 入場
- 17:35
- CLUB EVESSA ゴールド会員 入場
- 17:40
- CLUB EVESSA レギュラー会員・スポンサー 入場
- 17:45
- 一般開場
- 18:35
- オープニングイベント
- 18:40
- BTパフォーマンス
- 18:45
- 両チーム選手入場
- 19:20
- 両チームスターティング5紹介
- 19:25
- TIP-OFF
GOODS
グッズ情報
-
お手振りクッション
¥3,000(税込)
-
ユニフォームエコバッグ
¥2,500(税込)
-
バスケットパンツ
¥5,000(税込)
FOODS
フード情報
-
手羽トロ唐揚げ/マザーフーズ
¥600(税込)
-
炙り鶏ハラミ/ENT
¥500(税込)
-
たこ焼き/INFINITY
¥600(税込)
-
焼きそば/INFINITY
¥600(税込)
-
ポテト/エスポワール
¥500(税込)
EVESSA SHRINE
エヴェッサ神社
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※景品は変更になる可能性がございます